こんにちは、シニアわんこ手帖のはるかです。
わが家の17歳のトイプードルは、今もゆっくりですが自分の足で散歩をしています。ただ、若い頃と比べると後ろ足の踏ん張りがききにくくなり、立ち止まったときや向きを変えるときに年齢を感じるようになりました。それでも、おやつを見ると跳ねるように喜ぶ日もあります。
老犬の歩行補助を考えるときに迷いやすいのが、ハーネスで支える段階なのか、サポーターが合うのか、それとも車椅子まで考えた方がいいのかという点です。後ろ足に力が入らないからといって、すべての犬に同じ用品が合うわけではありません。
自力で立てるか、どの脚に支えが必要か、数歩だけ助けたいのか、散歩まで支えたいのかで選択肢は変わります。この記事では、歩行補助ハーネス、サポーター、タオルを使った一時的な補助、犬用車椅子、抱っこ、ペットカートまで、老犬の状態に合わせた使い分けを詳しく紹介します。
老犬の歩行補助は状態で選ぶ
歩きにくそうだから、すぐ車椅子というわけではありません。反対に、まだ少し歩けるから何も使わない方がいいとも限りません。歩行補助用品は、犬が残している動きを使いながら、転倒や過度な負担を減らすための道具として考えると選びやすくなります。
| 犬の様子 | 考えやすい補助 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 自力で立てて歩ける | 通常のハーネス、滑り対策 | 転倒予防と散歩の継続 |
| 立てるが後ろ足がふらつく | 後ろ足用歩行補助ハーネス | 腰まわりを軽く持ち上げる |
| 起き上がりに介助が必要 | 全身型介護ハーネス | 立ち上がりと移動を支える |
| 後ろ足で体重を支えにくい | 2輪車椅子 | 後肢側を車輪で支える |
| 前後の脚に支えが必要 | 4輪車椅子 | 胴体全体の姿勢を支える |
| 外出時に歩き続けられない | ペットカート | 休憩しながら外出する |
自力で立てるかを確認する
最初に見たいのは、床に伏せた状態から自分で起き上がれるか、立った姿勢を数秒保てるか、数歩進んだときに腰が左右へ大きく流れないかです。ここを見ないまま用品を選ぶと、支えが足りなかったり、反対に犬が自分で動ける範囲まで持ち上げすぎたりします。
例えば、わが家のトイプードルは17歳ですが、現在は自力で立てます。散歩もできます。後ろ足の踏ん張りは以前より落ちていますが、まだ自分で体重を支えられるので、今の段階では歩く力をすべて道具に預ける必要はないと見ています。

立てる時間が短くなってきた場合でも、すぐ寝たきりと考える必要はありません。床の滑り、爪の長さ、肉球まわりの毛、疲れやすさ、痛みなどでも動き方は変わります。まずは普段の動きを動画に残し、変化が続く場合は獣医師に見てもらうと原因を考えやすくなります。
どの脚に支えが必要かを見る
後ろ足だけ踏ん張りにくい犬と、前足にも体重をかけにくい犬では、適した補助が違います。後肢側だけを軽く持ち上げれば前へ進めるなら、後ろ足用の歩行補助ハーネスや2輪車椅子が候補になります。
一方、前足までふらつく、頭や胸が下がってしまう、立たせても姿勢を保ちにくい場合は、後ろ側だけを持ち上げると前足へ体重が寄りすぎることがあります。その場合は全身を支えるハーネスや4輪車椅子など、胴体全体を支える方法を検討します。
脚だけを見るのではなく、背中の丸まり方や首の位置、足先が裏返っていないか、爪を擦って歩いていないかも見ておきたいところです。歩き方の変化は関節だけでなく神経や背骨の問題でも起こるため、長く続く場合は自己判断で補助用品だけに頼らないようにしましょう。
急な歩行異常は受診を優先する
年齢を重ねた犬では少しずつ歩幅が小さくなることがあります。ただし、昨日まで歩けていたのに急に後ろ足が動かない、突然立てない、激しく痛がる、転倒を繰り返すといった変化は、老化だけで片づけない方が安全です。
急に後ろ足を使えなくなった、呼吸が苦しそう、倒れた、事故や落下のあとに歩けない、かなり痛がる場合は、歩行補助用品を試す前に動物病院へ連絡してください。 Ohio State University Veterinary Medical Centerでも、後肢を使えない状態などを救急受診を考える症状として挙げています。

特に背骨や神経の病気が疑われる場合は、抱き上げ方や動かし方にも配慮が必要です。無理に歩かせて状態を見るのではなく、まず獣医師の指示を受けましょう。
ハーネスで歩行を支える
老犬の歩行補助で最初に使いやすいのが介護用ハーネスです。日常の立ち上がり、トイレへの移動、玄関の段差、短い散歩など、飼い主が必要な瞬間だけ支えやすいのが利点です。
一般的な散歩用ハーネスは引っ張りを首以外へ分散する目的が中心ですが、歩行補助ハーネスは持ち手や補助ベルトを使って体を持ち上げられるよう作られています。似ているようで役割が違うため、介助量が増えてきたら用途を確認して選びましょう。
後ろ足用ハーネスが合う犬
後ろ足用の歩行補助ハーネスは、前足ではしっかり体を支えられるものの、腰が落ちる、後ろ足が滑る、立ち上がりでお尻だけ持ち上がらない犬に使いやすいタイプです。腰や骨盤まわりを下から支え、飼い主が持ち手を軽く上げます。
大切なのは、犬を宙づりにすることではありません。足先が床に触れ、自分で一歩を出せる犬なら、その動きを邪魔しない程度に支えます。持ち上げすぎると前足に体重が集まり、歩きにくくなる場合があります。
現在も市販品には前足用、後ろ足用、全身介助型などがあります。後ろ足の踏ん張りを補う歩行補助ハーネスを選ぶときは、体重だけではなく腰まわりや脚まわりの実寸、排泄しやすい形か、持ち手の長さを調整できるかまで確認すると使いやすいです。
前足用と全身型の違い
前足側の筋力が落ち、胸が沈みやすい犬には前方を支えられるタイプがあります。また、起き上がりから歩行、排泄まで何度も介助するようになった場合は、前後を別々に支えられる全身型が便利です。
全身型は介助できる範囲が広い反面、装着部分が増えます。寝たまま長時間着用できる製品もあれば、移動時だけを想定したものもあるため、使用時間と説明書を確認してください。皮膚が薄くなっている老犬では、脇や内股の擦れも毎日見たいところです。

ハーネスはサイズ合わせが大切
歩行補助ハーネスは、体重の一部を預ける道具です。そのため、通常の散歩用ハーネス以上にサイズ合わせが大切になります。大きすぎれば体が中で動き、小さすぎれば脇、胸、腹部、内股などを圧迫します。
試着できるなら、立った状態だけではなく数歩歩かせて確認します。排泄時にベルトが邪魔にならないか、オス犬では陰部へ当たらないか、持ち手を持ったとき犬の背中が不自然に曲がらないかも見てください。
AAHAのシニアケアガイドラインでは、移動を助ける環境調整として、滑りにくい床やスロープとともに、体に合ったパッド入りハーネスなどを挙げています。また、慢性的な運動器の問題ではリハビリテーションも選択肢になります。
参照元:AAHA 2023 Senior Care Guidelines Pain Management
はるかのワンポイントアドバイス
ハーネスを買ったら、最初から長い散歩に使うより、室内で立つ、数歩歩く、トイレまで行くところから試すと様子を見やすいですよ。犬が嫌がる場所や擦れる部分がないかも確認しやすくなります。
サポーターと手作り補助
老犬用として探すと、膝や足首まわりに巻くサポーター、腰まわりを支えるベルト、後ろ足用の吊り具などさまざまな商品が出てきます。ただ、サポーターと歩行補助ハーネスは同じ役割ではありません。
サポーターでできること
脚に装着するサポーターは、関節まわりを覆ったり、特定の方向への動きを補助したりする用品です。どの関節を支える設計かによって使い方が変わります。後ろ足に力が入らないという理由だけで膝用や足首用を選ぶと、原因と合わないことがあります。
特に、歩行異常の原因が股関節、膝、足先、背骨、神経のどこにあるかは外から見ただけでは分かりにくいものです。関節用サポーターを長時間使いたい場合は、動物病院で痛みの場所や関節の状態を確認してから選ぶ方が安心です。
老犬向けの脚用サポーターを購入するときは、商品名だけで決めず、対象部位、固定の程度、装着時間、左右の別、サイズの測り方を確認してください。装着後に足先が冷たい、むくむ、赤くなる、歩き方がさらに不自然になる場合は使用を中止します。
タオルで一時的に補助する
専用ハーネスがまだないとき、バスタオルを使って短時間だけ体を支える方法があります。幅のあるタオルを細長く折り、腹部から腰の手前あたりへ通して両端を持ちます。これで後肢側の体重を少し受けながら、トイレまで数歩移動させることができます。
ただし、タオルは犬の体に合わせて立体的に作られた介護用品ではありません。ずれやすく、腹部へ圧が集まりやすいため、散歩全体をタオルだけで支える使い方には向きません。特にお腹の病気がある犬、手術後、触ると痛がる犬では自己判断で腹部を持ち上げないでください。
老犬の歩行補助をタオルで手作りする場合は、あくまで短時間の一時介助として考えるのがおすすめです。毎日の介助に使うようになったら、体への当たりが広く、持ち手の長さを合わせられる専用品の方が飼い主の腰にも負担がかかりにくくなります。
手作りサポーターの注意点
古いタオルや布で後ろ足用サポーターを手作りする方法もありますが、縫い目や布端が皮膚へ当たる、脚の付け根を締める、排泄部分をふさぐといった問題が起きることがあります。犬が少し歩けるほど、動いたときのずれも大きくなります。
手作りするなら、首へ荷重をかけないこと、細いひもだけで体重を受けないこと、皮膚に食い込ませないことが基本です。数分使うたびに赤みや擦れを確認してください。縫製やサイズに不安があるなら、市販品を基準にして構造を見る方が安全です。
犬用車椅子と歩行器を使う
ハーネスで持ち上げ続けるのが難しくなったときや、後ろ足で体重を支えにくくても前足で進む意欲があるときは、犬用車椅子が候補になります。犬用歩行器という名前で探されることもありますが、商品によって形や支える範囲はさまざまです。
犬用車椅子は、単に移動させる道具ではなく、立った姿勢を作りながら自分で前へ進むことを助ける器具です。サイズが合えば活動の幅を広げられる一方、病気や体型によって向き不向きがあります。
2輪車椅子が向く状態
2輪タイプは後肢側を車輪で支え、前足で進む仕組みが中心です。前足で十分に体を支えられ、頭や胸を保てる犬で、後ろ足側の補助量が大きくなってきた場合に検討しやすい形です。
後ろ足が完全に動かない犬だけが対象とは限りません。少し動かせる犬では、足先を地面につける設定や保護具を使いながら歩く場合もあります。ただし、足を引きずって甲側を擦る犬では傷ができやすいため、使い方は獣医師やリハビリ担当者、車椅子の専門店へ相談してください。
4輪車椅子が向く状態
4輪タイプは前後の車輪で胴体を支えるため、前足側にも支えが必要な犬に使われます。前足だけで全体重を受けるのが難しい、立位を保つと前方へ崩れる、四肢の機能が全体的に低下している場合などです。
老犬の車椅子で4輪を選ぶ場合は、ただ車輪が多い方が安心という考え方では決めません。犬自身がどの方向へ足を運べるか、首や体幹を保てるか、室内の幅や段差に合うかも関係します。前後の高さが合わなければ姿勢が崩れるため、採寸と調整がとても重要です。

| 比較 | 2輪タイプ | 4輪タイプ |
|---|---|---|
| 主に支える場所 | 後肢側 | 前後を含む体全体 |
| 前足の役割 | 前足で体を支え進む | 前足側も器具が支える |
| 向きやすい例 | 後ろ足中心に補助が必要 | 前後の脚に補助が必要 |
| 選ぶポイント | 後肢の高さと前足の状態 | 全身の姿勢と各部の高さ |
車椅子はレンタルも選べる
犬用車椅子は価格だけでなく、犬が実際に動けるか、家の中で方向転換できるか、装着を嫌がらないかを確認したい用品です。そのため、購入前に試乗やレンタルを利用できるサービスは相性確認に役立ちます。
犬用車椅子のレンタルや試乗なら、2輪と4輪の違いを実際の生活環境で確認できる場合があります。レンタル条件や送料、サイズ交換、調整サポート、消耗部品の扱いは店舗によって異なるため、申し込み前に公式情報を確認してください。
体型に合わせた調整が必要な犬用車椅子では、体重だけでサイズを決めないことも大切です。肩や腰の高さ、胴の長さ、横幅など複数の寸法を測る製品があります。最終的な判断は獣医師や動物リハビリの専門家、製品の専門スタッフへ相談しましょう。
はるかのワンポイントアドバイス
車椅子を考える頃になると、もう歩けないから使うものと思いがちです。でも実際には、残っている動きを使うための補助として検討する場合もあります。今できる動きを動画に撮って、相談時に見せると話が早いですよ。
抱っことカートを使い分ける
歩行補助は歩かせるための道具だけではありません。疲れたら抱っこへ切り替える、外出の途中からカートに乗せるなど、休ませる方法も立派な移動補助です。老犬の散歩では、最初から最後まで同じ方法に固定しない方がうまくいくことがあります。
老犬の抱っこは胸と腰を支える
小型犬を抱き上げるときは、胸だけを持ち上げて後ろ足をぶら下げるのではなく、胸側とお尻側を一緒に支えます。犬の体を自分の体へ近づけ、なるべく背中がねじれない姿勢で持つと安定します。
床から持ち上げるときも、いきなり脇へ手を入れて引き上げるより、片手を胸の下、もう片手を骨盤やお尻の下へ入れてから体ごと持ち上げます。足腰に痛みがある犬は、触られる場所によって嫌がることがあるので、いつもと反応が違うときは無理をしないでください。
中型犬や大型犬は、飼い主ひとりで抱え込むと犬だけでなく人の腰も痛めます。全身型ハーネス、スリング、担架などを使うか、二人で持ち上げる方法を考えます。転倒しそうな場所では、無理に抱えるより安全な動線を作る方が先です。

抱っこ紐は体勢を確認する
老犬用の抱っこ紐やスリングは、通院や短い移動では便利です。ただし、体が縦にぶら下がる形、腰が深く曲がる形、脚が不自然に開く形は犬によって負担になります。特に背骨や関節に問題がある犬は、購入前に抱っこの姿勢を獣医師へ相談すると安心です。
顔が布に埋もれないこと、呼吸を妨げないこと、飛び出し防止があること、底面が安定していることも確認します。長時間入れたままにせず、体温や呼吸、姿勢を途中で見てください。
ペットカートで休憩を入れる
わが家では、散歩の全部をカートにするのではなく、歩けるところは歩き、疲れたらカートで休ませる使い方をしています。17歳でも外の匂いを嗅いだり、周りを見たりする時間は楽しそうです。距離だけを目標にせず、その日の状態で歩く量を変えています。

ペットカートと犬用車椅子は名前が似て見えることがありますが、目的は違います。ペットカートは犬を乗せて飼い主が押して移動するもの。犬用車椅子は犬自身が脚を動かして移動するための補助器具です。
歩ける老犬でも、帰り道まで体力が持たないならカートが役立ちます。散歩の行きだけ歩く、途中の公園までカートで行って平らな場所だけ歩くなど、体調に合わせた使い方ができます。

歩行補助と一緒に見直す環境
どの補助用品を選んでも、床が滑る、寝床から水まで遠い、段差が多いままだと歩きにくさは残ります。高齢犬の移動を楽にするには、用品と家の環境を一緒に見直すのが現実的です。

まず床の滑りを減らす
フローリングで後ろ足が横へ滑る犬は、筋力以上に歩きにくそうに見えることがあります。わが家でも床の滑り対策はかなり意識しています。全面を高価なマットへ変えなくても、よく通る場所から敷くだけで違います。
寝床から水、トイレ、飼い主がいる場所までの通路へ滑りにくいマットを置きます。マット同士の境目でつまずく犬もいるため、段差やめくれにも注意してください。足裏の毛が伸びている場合は、肉球が床へ触れやすい状態に整えることも役立ちます。
生活動線を短くする
歩ける距離が短くなってきたら、必要なものを近くへ寄せます。寝床から水まで何度も歩かなくて済むようにする、トイレを広くする、方向転換しやすい空間を作るといった小さな変更です。
介護用ハーネスを使う犬では、玄関や廊下に物が多いと飼い主も一緒につまずきます。犬の通り道だけでなく、横で支える人が歩く幅も確保しておくと介助しやすくなります。
歩き方を動画で残す
老犬の歩き方は毎日見ていると変化に気づきにくいです。私は、横から立っている姿や後ろから歩く様子を動画で残しておくのがおすすめだと思っています。数週間前と比べると、腰の高さや歩幅の変化が分かりやすいからです。
撮るなら、横から立った姿、後ろから歩く姿、床から立ち上がるところ、方向転換の様子が役立ちます。体重、食事量、散歩時間も簡単に記録しておくと、動物病院で説明するときに伝えやすくなります。

はるかのワンポイントアドバイス
今はまだ歩けているという時期こそ、動画を残しておくのがおすすめです。調子が落ちてから昔の歩き方を思い出そうとしても意外と分かりません。スマホで10秒ほど撮るだけでも比較しやすいですよ。
補助用品を選ぶときの注意点
歩行補助用品は、使えば使うほど良いものではありません。目的は犬を無理に歩かせることではなく、安全に動ける時間を作ることです。犬が嫌がる、呼吸が荒くなる、転倒が増える、皮膚が擦れるようなら使い方を見直します。
痛みがあるまま歩かせない
歩行補助ハーネスや車椅子があれば、体を支えて前へ進むことはできます。しかし、関節や背骨に痛みがある状態で距離だけを延ばすと、犬にとってはつらい運動になることがあります。
散歩に出る前から立ちたがらない、触ると嫌がる、足を着けない、歩いたあと長く震えるなどの変化があるなら、運動量を増やすより診察を優先してください。補助用品は診断や痛みの治療の代わりにはなりません。
皮膚の擦れを毎日見る
老犬は皮膚や筋肉の厚みが若い頃と変わっていることがあります。脇、胸、腹部、脚の付け根など、ハーネスやベルトが当たる場所は毎日確認します。赤みが続く、毛が抜ける、湿っている、傷ができる場合はサイズや位置を見直しましょう。
車椅子でも同じです。胸当て、腹部のベルト、脚を通す部分が同じ位置へ当たり続けることがあります。最初は短時間から始め、装着前と外した後に皮膚を見る習慣をつけると早く気づけます。
飼い主の腰も守る
介助を始めると、犬のことばかり見て飼い主が前かがみになりがちです。持ち手が短いハーネスでは、歩くたびに腰を曲げることになります。小型犬でも毎日繰り返すとかなり疲れます。
持ち手の長さを身長に合わせられるか、片手だけに負担が寄らないか、立ち上がり介助と散歩で同じ用品を使えるかも選ぶ基準です。介助者が無理なく続けられることは、犬の生活を支えるうえでも大切です。
補助方法を変える目安
老犬の体は少しずつ変わるため、一度選んだ用品をずっと同じ使い方で続けるとは限りません。今まで後ろ足用ハーネスで十分だった犬が、数か月後には全身型の方が楽になることもあります。反対に、体調が戻って介助量を減らせる日もあります。
ハーネスで支えきれないとき
後ろ足用ハーネスを使っていても、飼い主がかなり持ち上げないと前へ進めない、数歩ごとに腰が落ちる、散歩中ずっと持ち手へ体重がかかるようになったら、ハーネスだけでの介助が大変になっている可能性があります。
この段階では、犬だけでなく介助する人の姿勢も確認します。毎日腰を曲げて体重を支え続けるのは長続きしにくいものです。前足で進める犬なら2輪車椅子、前後の脚に支えが必要なら4輪車椅子など、体重を器具へ分散する方法を相談する時期かもしれません。
ただし、車椅子へ変える目安を歩ける距離だけで決めるのはおすすめしません。痛み、神経の状態、心臓や呼吸の状態などによって運動できる量が変わるからです。歩ける距離が短くなった理由を動物病院で確認したうえで、用品を変えると安心です。
車椅子とカートは併用できる
犬用車椅子を使い始めたら、ペットカートが不要になるわけではありません。車椅子は自分で動く時間に使い、疲れたらカートへ乗せるという使い分けもできます。高齢になるほど、その日の気温や睡眠、食欲によって活動量が変わるため、休む手段を用意しておくと外出しやすくなります。
例えば、公園まではカートで移動し、平らな場所で車椅子を使って歩く方法もあります。帰りはまたカートへ乗せれば、行き帰りの体力を温存できます。散歩を何メートル歩いたかより、外の匂いを嗅ぐ、立って周囲を見る、自分で数歩進むといった時間を作ることを大切にしてもいいと思います。
使う前後の様子を比べる
新しい歩行補助用品を使った日は、装着中だけでなく外した後も見てください。いつもよりぐったりする、足をかばう、息がなかなか整わない、翌日に立ちにくそうといった変化があれば、使用時間や支え方が合っていない可能性があります。
反対に、補助した方が姿勢を保ちやすい、転ばずにトイレへ行ける、散歩後も落ち着いて休めるなら、その犬にとって助けになっていると考えやすいです。数日単位で動画を比べると、感覚だけで判断するより変化を見つけやすくなります。
歩行補助用品は、できない動きを無理に作るためではなく、今ある動きを安全に使うためのものです。 立つ、数歩進む、排泄する、外へ出るなど、その犬に必要な場面に合わせて選びましょう。
よくある質問
老犬の歩行補助FAQ
Q1. 老犬の後ろ足に力が入らないときは何を使えばいいですか?
A. 自力で立てて前足で体を支えられるなら、後ろ足用の歩行補助ハーネスから検討しやすいです。後ろ足で体重を支えにくく、前足では進める場合は2輪車椅子も候補になります。前足にも支えが必要なら全身型ハーネスや4輪車椅子を検討します。急に力が入らなくなった場合は用品選びより受診を優先してください。
Q2. 老犬の歩行補助はバスタオルで手作りできますか?
A. バスタオルを細長く折り、腹部から腰側を下から支える方法は、トイレまでの数歩など短時間の一時介助には使えます。ただし、ずれやすく腹部へ圧が集まりやすいため、長い散歩や毎日の継続介助には専用ハーネスの方が使いやすいです。腹部の病気や手術後などは獣医師へ相談してください。
Q3. 老犬の車椅子は2輪と4輪のどちらがいいですか?
A. 後ろ足側の補助が中心で、前足で体を支えて進める犬では2輪が候補になります。前足側にも支えが必要な犬では4輪が候補です。ただし、体幹や首の状態、病気、体型によって適した形は変わります。採寸だけでなく実際の歩き方を確認し、獣医師やリハビリ担当者、専門スタッフに相談して決めると安心です。
Q4. 老犬の車椅子は購入前にレンタルできますか?
A. 犬用車椅子にはレンタルや試乗を用意している専門店があります。実際の家や散歩コースで使えるか確認できるのが利点です。料金、送料、期間、サイズ交換、2輪と4輪の扱いはサービスごとに異なるため、申し込み前に公式サイトで最新情報を確認してください。
Q5. 老犬を抱っこするときはどこを支えればいいですか?
A. 小型犬では胸側と骨盤側を両方支え、体を飼い主へ近づけて抱えると安定します。胸だけを持って後ろ足をぶら下げる持ち方は避けます。中型犬や大型犬は無理に一人で持たず、全身型ハーネスや担架、二人での介助を検討してください。背骨の病気や外傷が疑われる場合は、動かし方を動物病院へ確認しましょう。
老犬の歩行補助まとめ
老犬の歩行補助は、ひとつの用品ですべてを解決しようとしないことが大切です。自力で立てるか、前足で体を支えられるか、どこまで歩けるかを見ながら、その日の状態に合わせて使い分けます。
- まだ歩ける犬は滑り対策と必要な場面だけの介助から始める
- 後ろ足中心の介助には後ろ足用歩行補助ハーネスを検討する
- 後肢側の補助量が大きい場合は2輪車椅子も候補になる
- 前後の脚に支えが必要なら全身型ハーネスや4輪車椅子を検討する
- タオル補助は短時間の一時介助として使う
- 疲れたら抱っこやカートへ切り替えて休ませる
- 急な歩行異常や痛みがある場合は受診を優先する
わが家の17歳のトイプードルも、後ろ足には年齢なりの変化があります。それでも、自分で歩きたい日はまだあります。私は、できなくなったことだけを見るより、今できる動きをどう残していくかを考えたいと思っています。
歩行補助用品は、そのための選択肢のひとつです。犬の状態は日によっても変わるので、無理に距離を延ばさず、休む方法も含めて組み合わせてみてください。症状や病気がある場合の最終的な判断は、かかりつけの獣医師やリハビリの専門家へ相談しましょう。